今回の目的は、サーマリングやクロスカントリーの技術も然ることながら、全国大会に出場するに当たって一人前のパイロットになるということでした。
学連で訓練として飛んでいる時は、役割分担がなされていて団体として沢山飛ばすことに重点が置かれていますが、ここでは全て1人でこなす必要があります。
しかもそれはフライトのみならず、朝起きてから寝るまでの生活全てにおいてです。
4年間航空部で1週間合宿を経験してきましたが、ここまで朝から晩までグライダーのことを考えたことはありませんでした。
今回お世話になったSoar Narromineの信三さんは理科大航空部出身で、その後世界チャンピオンになったお方ですが、第一印象は意外と物腰が柔らかいなと感じました。
しかし、流石はその道のエキスパートと言いますでしょうか、切り替えの早さには驚かされました。
1週間毎日何かしらやらかしていたのですが、安全に関わることならどんな些細なミスでも見逃してもらえません。
もちろんミスをすると怒られますが、それはそのミスを忘れさせないためであって、その後どう対策をすればよいか必ず聞かれました。
そもそも初めから手取り足取り教えてもらえないので、誤った選択をしたりミスが出たりするのは当たり前という考え方のようでした。
このコーチングはとても理に適っていると思います。
なにより自家用操縦士になってからも学連という揺り籠の中で過ごしてきた僕にとっては、大変有意義なものでした。
自分の責任の下で安全に飛ぶということを再認識させられたからです。
そして、信三さんもそうして安全を追求していると自ずと腕も上がって世界一になれたとおっしゃっていました。
僕もチャンピオンは到底無理でしょうが、生涯安全に飛び続けたいと思います。
P. S.
最終日は夕方にDubboからSydneyへ行くため、15時ランディングと決めてスタート。
13時からトップが上がり始める予報の中で12時半にローンチしたため、最初は上げるのにいつも以上に苦労したものの、何とかクライムに成功。
予報通りどんどんトップが上がり始め、14時半には8500ftになって今回の遠征で最高点に。
そこからゆっくりディセンドして目標の2分前に着陸。
程よい時間で帰りの体力を残しつつ十二分に楽しめました。
2+28